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法律情報

東証、平成26年10月から、ノンコミットメント型のライツ・イシューを規制へ

東証は3日、いわゆるライツ・イシューについて、規制に乗り出すことを発表しました。

新株予約権証券の上場制度の見直しについて

規制内容は、ノンコミットメント型のライツ・イシューについて、証券会社の事前審査か、株主総会の意思確認を義務付けるという内容であり、そもそも、債務超過や2期連続で経常赤字の企業には認めないという内容にもなっています。

ノンコミットメント型とは、未行使分の新株予約権について、行使を約束する引受人がいない類型のことです。

株主割り当てであることから容易に発行できるように見え、本来増資できない企業もできてしまうため、合理性のない増資が行われ、実際には既存株主が不利益を被っていると指摘されていることに対応するものとなっています。

ヤマザキマザックの機密情報不正取得事件で中国籍の元社員に有罪判決

すでにこのブログでも取り上げたことのあるヤマザキマザックの機密情報不正取得事件ですが、改正不正競争防止法の初適用で注目されたところ、有罪判決が出たことが明らかになりました。

ヤマザキマザック 中国人元社員有罪 情報不正取得 - SankeiBiz(サンケイビズ) 2014.8.21 04:30

工作機械大手ヤマザキマザック(愛知県大口町)から部品の設計図などの機密情報を不正に取得したとして、不正競争防止法違反罪に問われた中国籍の元社員、唐博被告(34)に名古屋地裁(景山太郎裁判長)は20日、懲役2年、執行猶予4年、罰金50万円(求刑懲役2年、罰金100万円)の判決を言い渡した。被告側は控訴する方針。事件は利益のために企業秘密を持ち出すことを処罰対象とした改正不正競争防止法を適用した初のケース。企業秘密保護のため被告人質問を初めて非公開で行った。

この件では、平成21年の改正法によって導入された不正の利益目的での情報の取得罪が初めて適用されたという点と、平成23年改正で導入された刑事手続きの特例が初めて行われたという点において先駆的意義がある事案となっています。

不正競争防止法

第五章 罰則

(罰則)

第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、詐欺等行為(人を欺き、人に暴行を加え、又は人を脅迫する行為をいう。以下この条において同じ。)又は管理侵害行為(財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律 (平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項 に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の保有者の管理を害する行為をいう。以下この条において同じ。)により、営業秘密を取得した者

詐欺等行為又は管理侵害行為により取得した営業秘密を、不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で、使用し、又は開示した者

(略)

第六章 刑事訴訟手続の特例

(営業秘密の秘匿決定等)

第二十三条 裁判所は、第二十一条第一項の罪又は前条第一項(第二十一条第一項第一号、第二号及び第七号に係る部分に限る。)の罪に係る事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該事件に係る営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項を公開の法廷で明らかにされたくない旨の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、その範囲を定めて、当該事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。

裁判所は、第一項に規定する事件を取り扱う場合において、検察官又は被告人若しくは弁護人から、被告人その他の者の保有する営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項を公開の法廷で明らかにされたくない旨の申出があるときは、相手方の意見を聴き、当該事項が犯罪の証明又は被告人の防御のために不可欠であり、かつ、当該事項が公開の法廷で明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるときは、その範囲を定めて、当該事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。

裁判所は、第一項又は前項の決定(以下「秘匿決定」という。)をした場合において、必要があると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定で、営業秘密構成情報特定事項(秘匿決定により公開の法廷で明らかにしないこととされた営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)に係る名称その他の表現に代わる呼称その他の表現を定めることができる。

裁判所は、秘匿決定をした事件について、営業秘密構成情報特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至ったとき、又は刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十二条 の規定により罰条が撤回若しくは変更されたため第一項 に規定する事件に該当しなくなったときは、決定で、秘匿決定の全部又は一部及び当該秘匿決定に係る前項の決定(以下「呼称等の決定」という。)の全部又は一部を取り消さなければならない。

上記の他、日経の報道によると、営業秘密に当たるかという点において情報の内容や管理体制について検討をしており、不正の利益目的の認定において、中国の知人とのチャットの内容が証拠として検討されている模様です。

改正法で新設されたのでも当然のこと目的犯であることは変わっていないため、証拠の収集においてもう一段必要性があるということなのだと思われます。

被告人はただちに控訴していますが、仮にその先までいって最高裁まで争った場合にはこの改正法が憲法違反だとする主張をすることになるのでしょう。

上海新梅置業が買収防衛のため株主権の制限や取締役改選数の制限を設けたと報道される

中国でも買収防衛策を検討しないといけない時代になっている模様で、上海新梅置業が、株主権の制限などを含む措置を導入したことが報道されました。

上海新梅置業、敵対的買収防衛策発表 :日本経済新聞 2014/6/13 23:20

■上海新梅置業(不動産開発) 敵対的買収防衛策を発表した。株主総会や取締役会で株主提案をできる株主に新たに「連続して12カ月以上株式を保有する」との条件を付加。株主提案権の乱用を防ぐためとしている。

また「取締役を変更可能な数を取締役全数の3分の1まで」に制限した。同社は定款変更について「短期売買や悪意のある買収を目的とした株主提案権の乱用を防止するため」と説明している。同社を巡っては上海開南投資発展など6株主が議決権行使の一致で合意し、合計14.23%の議決権を保有する筆頭株主になっている。

(上海=土居倫之)

上記の内容をどのようにして実現したのか、定款を変更して行ったのか、取締役会で決議したのかなども不明であり、そもそも会社が一方的に決定できる内容ではないように思われるので、報道では落ちてしまっている事実があるものと思われます。

日本の会社法的に考察しても、株主提案権について議題と議案について区別せず、基準日などの事務的な必要性の認めうる内容とは別に長期の期間制限を設けることは違法になるように思われますし、取締役の改選数は、そもそも任期との関係で勝手に制限することができるとは思えません。何らかの抜け落ちている事実を補充すると整合する内容になるものと思われます。

成年後見の利用件数が2013年末で17万件超になったころが明らかに 成年後見人が親族である件数は半数以下まで減少

成年後見制度ができたのが2000年ですが、その利用は順調に増加してきて、2013年度末の利用者数では17万件超となったことが明らかになりました。

17万人超が成年後見制度を利用  - Miyanichi e-press

認知症や知的障害で物事の判断が十分にできず、第三者に財産管理などを委ねる「成年後見制度」の利用者数が、2013年末時点で17万6564人に上ったことが2日、最高裁の調査で分かった。前年より約1万人増え、集計を始めた10年以降で最も多かった。

(略)

13年中に新たに制度を利用したいとの申し立てがあったのは3万4548件で、12年(3万4689件)からやや減少した。内容別では「預貯金の管理・解約」が最も多く、「介護サービスの契約」が続いた。

一方で成年後見制度で問題となっているのは、成年後見人が被後見人の財産を横領してしまうなど、権限濫用による問題事象ですが、その温床となってきた親族による成年後見人の就任については、減少しており、半数以下(42.2%)になったことも明らかになりました。

しかし、上記のような問題事象は、弁護士が横領した事象も相次いで発生したことから、親族だから悪いというわけではなく、監督体制の問題といった様相を呈しています。

成年後見人に弁護士が就任することについては現在運用がやや改められている模様で、今後も試行錯誤は続くものと思われます。

JT、子会社への転籍希望者を募集

きちんとした会社の就業規則には、会社が配転、出向などの人事権があり一方的に命じられることが規定されている一方、転籍の場合には同意がいることを明記して、性質が異なることが定め分けられていると思います。

これは、転籍の場合、元の会社との労働契約関係が終了するため、退職の問題になるためです。

それが如実に表れている事例としてJTが、子会社への転籍の希望者を募るということが報道されましたので取り上げます。

JT、食品子会社への転籍希望者募集 :日本経済新聞2014/5/12 19:40

日本たばこ産業(JT)は12日、労働組合に対し加工食品子会社への転籍希望者の募集を申し入れたと発表した。対象は1日現在でJT子会社であるテーブルマークホールディングス傘下の事業子会社に出向している社員158人。2015年1月1日付で転籍を実施したい考え。

(略)

転籍先はテーブルマークの子会社2社で、希望者にはJTから退職割増金などを支払ったうえで、子会社の賃金体系に変更するとみられる。

上記の報道によると、希望退職ならぬ希望転籍を募るというやり方がされていることが伺われます。

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