Japan Law Express

企業法務関連情報を中心とした法律ブログ

2015.01.18 法律関係tweetまとめ

[twitter only]川内原発の再稼働差止めをめぐって、申立人の住民の一部が申立てを取り下げたことが判明。九州電力が再稼働が遅れると1日5億5千万円の損害を被るとして賠償に備えて担保金を積むように申立てていることなどが影響している模様。

[twitter only]アメリカ連邦最高裁、合衆国国憲法のもとで同性婚が認められるか審理をすることを発表(1月16日)。同性婚を禁じている州法の合憲性の判断というかたちになる。

[twitter only]経済産業省 産業構造審議会 知的財産分科会 営業秘密の保護・活用に関する小委員会、中間取りまとめ案を了承(1月15日)。不正競争防止法を改正して企業秘密の漏えいについて、未遂処罰、非親告罪化、罰則の強化などが盛り込まれる内容。

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2015.01.17 法律関係tweetまとめ

[twitter only]プリベント少額短期保険、日弁連と連携して弁護士費用保険加入者に対して新サービスとして保険加入者が弁護士に無料で電話相談をできるサービスを開始。1日当たり1回15分で事案が法的対応できるかを聞く程度で本格的な相談はできないとのこと。

[twitter only]「丸正餃子店」が「餃子の丸正」に使用差し止めと損害賠償を求めていた訴訟で、「餃子の丸正」の商標を「丸正餃子店」に有償譲渡する和解が大阪地裁で成立(和解は12月8日付)。「餃子の丸正」は「中華丸正」として営業するとのこと。

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スカイマーク、転職するパイロットに訓練費用の返還を求めて提訴していることが明らかに

国内航空3位のスカイマークが、転職するパイロットに訓練費用の返還を求めて提訴していることが報道で明らかになりました。

転職なら「訓練費返還を」 スカイマーク、操縦士を提訴:朝日新聞デジタル 2015年1月12日05時07分

国内航空3位のスカイマークが、他社へ転職する複数のパイロットに、社内での「教育訓練費」約400万円を返すよう求めていることがわかった。一部で裁判にも発展し、パイロット側は「労働基準法違反だ」と反発する。パイロット不足の中、引き抜き防止策の一環とみる関係者もいる。

(略)

教育訓練費」とは何か。航空会社のパイロットは操縦士の国家資格に加え、機種ごとに国のライセンスがいる。さらに各社ごとに社内訓練があり、副操縦士になるには社内の審査、機長になるには国の審査に合格する必要がある。それぞれ一定の飛行時間も求められる。

スカイマークが訴えている裁判の記録によると、国家資格を持って2011年に入社した40代の男性パイロットは、7カ月の社内訓練でボーイング737型機のライセンスを取り、副操縦士の審査に合格。同8月の人事発令で副操縦士の乗務を始めた。さらに訓練を受けて国の機長審査に受かり、13年8月には機長に昇格。だが14年2月に退職し、国内の別の航空会社に移った。

同年4月、スカイマークは、副操縦士の人事発令から3年以内に自己都合で退職した場合は教育訓練費を請求する、と定めた就業規則などに基づき、男性に約407万円を返すよう求めて東京地裁に提訴した。

上記の報道からではよく笑かいところが多々ある上、情報が若干混乱しているように読み取れるため判然としないのですが、会社からの請求にかかる部分がどの訓練に関する費用なのか、しかもどのような算定根拠で支出されているのかが定かではありません。

したがって一概には言えないのですが、一般的に労働基準法には損害賠償の予定の禁止が定められているため、就業規則に基づいて返還を求めているとのことですが、当該規定の有効性はかなり問題となる可能性があります。

労働基準法

第16条(賠償予定の禁止) 
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

また、実質的に転職を抑制する仕組みとして作用する可能性が相当程度ありますが、そうなると職業選択の自由は憲法上も定められている内容であることからも、合理性を困難にすると思われます。

報道の情報からでは非常に限定的であることと、訴えられたパイロット側からの情報提供で記事が書かれていると思われることから、事案の全容がわからないのですが、労働法的には難しい問題があるように思われます。

日本テレビ、アナウンサーの内定取消をめぐる訴訟で和解 アナウンサー部配属予定の内定者に戻すという内容であり、4月入社の見込み

ミス東洋英和で日本テレビにアナウンサーとして内定していた大学4年生の女性が、クラブでのアルバイト経験を申告していなかったことを理由に内定を取り消されたところ同社を相手取って訴訟提起していた事件で、8日、和解が成立したことが明らかになりました。

日テレ女性アナ内定取り消し訴訟和解 4月入社へ :日本経済新聞 2015/1/8 20:42

日本テレビのアナウンサー採用が内定した後、東京・銀座のクラブでのアルバイト経験を理由に内定を取り消されたとして大学4年の笹崎里菜さん(22)が地位確認を求めた訴訟は8日、東京地裁で和解が成立した。日テレが笹崎さんを「アナウンス部に配属予定の内定者」に戻すとの内容で、4月に入社する。

(略)

日本テレビが内定取り消しの理由としてアナウンサーとしての清廉性などとしたため、クラブでホステスとしてのアルバイトに対する見方などが話題となってしまいましたが、そこから離れて内定をめぐる教科書的な法的整理をまとめておこうと思います。

内定とは、やや意外に思われるかもしれませんが、判例によるとすでに労働契約が成立しているとされています。

正確には、将来の日付である入社日を開始日とする始期がついており、内定事由に書かれている事由が生じたら解約できる解約留保権もついている労働契約が成立しているとしています。

そのため、内定取消の問題は、内定事由に書かれている取消事由に該当するかという問題になるので、日本テレビがどのような内定取消事由を示していたのかが第一義的には問題となります。

しかし、実際には内定取消事由は広めに書いているものですし、バスケット条項も入っているのが普通です。したがって清廉性がバスケット条項などに照らして該当するのかという問題になりますが、判例は内定取消事由そのままではなく社会通念上許容されるものに限定しますので、その意味では、清廉性とホステスとしてのアルバイト経験、そしてそれを申告していなかったことの当否が問題となったのは結論としては裁判所の判断とそれほど異なるものではなかったと思われます。

もっとも、内定取消を争った場合で無効と判断された場合の効果も損害賠償とすることで一般的な理解がありますし、上記のような理解では内定の地位は比較的強いものといえそうですが、世の実態としては内定取消の事態はかなり労働者にとって厳しいものであることが多いと思われます。

そういう意味では、かなり異例な結論になった一件ということができましょう。

ちなみに興味深いのは和解に含まれている文言である「アナウンサー部の配属予定」ということですが、文言の用い方からも、これは職種限定契約であることを示すものではなく、最初の配属部署を明示しているに過ぎないと思われます。

本件からは離れますが、求人において担当してもらう職務を示すことはよくありますが、裁判例的にはそれでもって職種限定契約であると解釈することには極めて制限的です。本件も当然そのような労働契約であるものと思われます。

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