Japan Law Express

企業法務関連情報を中心とした法律ブログ

経済産業省、「産業構造審議会 知的財産分科会営業秘密の保護・活用に関する小委員会」、中間とりまとめを公表 不正競争防止法の改正の方向性を打ち出す

不正競争防止法の改正の方向性については、すでにお伝えしていますが、中間とりまとめの形で内容がまとめられましたので取り上げます。

産業構造審議会 知的財産分科会 営業秘密の保護・活用に関する小委員会-「中間とりまとめ」について(METI/経済産業省)

簡単にまとめると以下の通りです。

  1. 営業秘密の不正取得・領得の国外犯処罰規定の新設
  2. 営業秘密の取得及び使用・開示行為について、未遂処罰化
  3. 営業秘密の転得者の処罰規定の新設
  4. 営業秘密侵害品(営業秘密を不正に使用して生産された物品)であることを知って、故意でそれを譲渡・輸出入等する行為を処罰対象化
  5. 罰金刑の引き上げ
  6. 営業秘密侵害罪の非親告罪化
  7. 民事訴訟における被害企業の立証負担の軽減
  8. 営業秘密侵害行為の差止請求権について除斥期間を20年に延長
  9. 営業秘密侵害品について譲渡・輸出入等する行為を差止・損害賠償の対象化

中間とりまとめでは上記の5の罰金刑については、金額までは明記されていませんが、報道では10億円とする方向と報道がされています。また、5の関連で「海外重課」と言及されていますが、海外の企業が行った場合には重く取り扱うことも中間とりまとめで言及されています。利益没収についても規定を置くことが明記されています。

営業秘密というと技術的なものがまず想起され、実際に大きな問題となって金額も巨額の損害賠償となって顕在化しているのは技術情報なのですが、顧客情報等も入ることから、人事労務管理の問題にもなるところです。

問題状況は広いということも再確認したいところです。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村

2015.02.01~02.08 法律関係tweetまとめ

[twitter only]大阪高裁、日本におけるハーグ条約に基づく返還命令の第一号事案である父親のいるスリランカへの返還を命令した大阪家裁の審判に対する母親からの即時抗告を棄却(1月30日)

[twitter only]アステラス製薬、主力のプログラフのアメリカにおける後発薬の発売を妨害したとされて医薬品卸売業者らから提起された集団訴訟で115億円を支払う内容で和解。同社は後発薬の安全性や有効性の試験をFDAに求めて後発薬の発売を遅らせたと主張されていた。

[twitter only]最高裁、滋賀の公立中学校での部活練習中での死亡事故で顧問に対する賠償請求を求めて行われた遺族側の上告を棄却(2月5日)。地方地自体に対する賠償請求は確定しており、顧問に対する個人の賠償責任を追及しようとしたもの。

[twitter only]神戸地裁尼崎支部、ヤフーブログの書き込みで名誉を傷つけられたとして、ヤフーに発信者情報の開示と50万円の慰謝料を請求した訴訟で、IPアドレスの開示と30万円の慰謝料の支払いを命じる(2月5日)。慰謝料は記事の削除要請に応じなかったことに対するもの。

Japan Law Express(@JapanLawExpress) | Twitter

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村

厚生労働省、平成26年度「過重労働解消キャンペーン」の結果を公表 重点監督を実施した過半数の2304事業場で違法な残業があり是正勧告を行ったことが明らかに

労働基準監督署が調査にやってくることをいわゆる労務監査などと呼ぶことがありますが、この労務監査には色々なパターンがある中で、そのうちの一つにキャンペーン的なものがあります。

特定業界に絞っての監査などがこれに当たりますが、昨年、このカテゴリに位置づけてよいと思われる、長時間労働が疑われる事業場を抽出して重点的に監督を行うという種類の労務監査が行われ、その結果が公表されました。

平成26年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表 |報道発表資料|厚生労働省

単純に言うと、4561事業場に監督を行い、うち2304事業場に違法な残業があり是正勧告を行ったとのことです。

是正勧告というのは、労働基準監督官が法令違反(とはいっても所管している労働基準法違反と労働安全衛生法違反になりますが)を認定した際に、是正を促す行政指導になります。従わないと、労働基準法違反には罰則がついていますので、刑事事件への展開が予想されるというもので、かなりの重みにある事態です。

この違法な残業というのは、36協定なしでの残業などであり、かなり初歩的な法令に違反しているものであるようです。

ホワイトカラーエグゼンプションが立法化されようというときにこの結果が公表されるのも憶測を呼ぶところですが、健康維持のための労働時間の把握という問題は裁量労働制と同じくついてくるという結論に落ち着くための補強材料になるのは必至と思われます。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村

2015.01.25 法律関係tweetまとめ

[twitter only]仙台地検、虐待があったとして申立てられた親権停止の審判で、家庭裁判所からの求めに応じて、親権者とその同居者からの虐待事件の捜査情報を開示していたことが判明。地検は供述調書の要旨や捜査報告書の閲覧を許可しており、家裁は審理に活用したとのこと。

[twitter only]厚生労働省、国民年金の保険料滞納者に対する強制徴収対象を拡大へ。平成27年度から所得400万円以上で7カ月以上の未納を対象として督促しても納付がない場合に預金等の差押えを行う。従来は所得400万円以上で13か月の未納が対象だった。

[twitter only]京都地裁、京都消費者契約ネットワークが提起した景品表示法に基づく抗告の差止訴訟で、クロレラに医薬品のような効果があるかのような広告を差止め(1月21日)。景品表示法に基づく差止訴訟の判決は初とされる。

[twitter only]最高裁、冠婚葬祭費用の積立てで中途解約した場合の手数料条項について無効としこれを支持した大阪高裁判決に対する冠婚葬祭互助会事業大手セレマ及び消費者側双方からの上告を受理しない決定(1月20日)。手数料の一部返還を命じた判決が確定。

Japan Law Express(@JapanLawExpress) | Twitter

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村
記事検索
最新記事
とある東京の弁護士兼社会保険労務士が法律情報をお送りします。
QRコード
QRコード
アーカイブ
  • ライブドアブログ